前回、「ペルソナ設定」の必要性、考え方についてお伝えしました。「どんなメッセージであれば顧客に響くのか?」を具体的に想定するために具体的な「対象顧客」をイメージすることが「ペルソナ設定」の目的でした。今回はペルソナ設定をする際によくある失敗とそういう失敗をしないための回避策についてお伝えします。
ペルソナ設定でよくある失敗と回避策
存在しないもしくは極少数のターゲットを想定してしまう
ペルソナ設定は「特定の個人」を想定して行うものですから、当然個別具体的な想定をするものです。が、「具体性」にこだわりすぎてしまった結果、「本当にそんな人いるんだろうか?」というような想定をしてしまうケースも少なくありません。例えば、ある「こだわり高級カレー」のECサイトを作成する際に「地方在住の地主68才男性。カレーが好きすぎて3食カレーでもいいと思っている。近くに良いカレーを出す店がないのでわざわざ都心まで食材を買いに行っている。自宅まで届けてくれるECを探している」というターゲット設定をされたお客様がいらっしゃいました。一見、ECのターゲットっぽい印象を受けますが、ここでかけている視点はカレーがそんなに好きな地方在住の地主さんがどれだけいるのか?ということです。また、それだけ好きで所得も高ければ既に何かしら「お取り寄せ食材」の通販をしている可能性が高いため、今から探している人がどれだけいるのか?というと疑問です。これは自分たちに都合の良い人を勝手に作り上げて「存在しない人」をペルソナに設定してしまったという例です。実際、「地主向けLP」を作成しましたが、見事に失敗しました。
回避策
こういった失敗を回避するには「~が欲しい人はこういう人だ」という売り手側の思考だけでなく、ペルソナに設定した人であればどう行動するか?という逆側からの視点でペルソナ設定を眺めることが重要です。人は得てして自分の都合の良いように考えてしまうものですが、逆側の視点に立って考えることで「そういう人は存在しないな」ということが簡単にわかることも多くあります。
広く設定しすぎて誰にでも共通する要素だけで設定してしまう
上記とは逆に広すぎて失敗してしまうパターンもあります。「25才都内在住。収入がもっと欲しい」ある、副業商材の募集ページを作った時のペルソナ設定です。25才で収入がもっと欲しいと思っていない人を探すほうが難しいと思います。対象者はいっぱいいますが、副業をするとなると心理的、時間的に大きなハードルがあります。そういうハードルを越えられる人はどういう属性なのか?を考えないとこの場合の「ペルソナ設定」としては正しくないのです。
回避策
「その人は自社の商品・サービスを欲しいと思うか?他に条件はないか」と振り返る。このパターンの失敗の原因は「考えてなさすぎ」です。商品側の対象となる条件だけでなく顧客側の欲しいと思う条件を考えなければ具体性にかけていて意味がありません。効果的なメッセージを考えることもできないのです。なので、設定した属性が必要十分な条件なのかどうかを振り返って考える必要があります。
やってみて巧く行かなかったら別のパターンを考える
上記はあくまで「仮説」のたて方です。実際にやってみてうまくいくかどうかはやってみればわかります。ダメならペルソナの見直しをすればよいだけのことです。最初から「絶対に正しいペルソナを設定しよう」と意気込まず、「ダメなら変える。その代わり見直しを早くやる」という気持ちでやっていただいたほうが成果に繋がりやすいように感じます。
次回は、設定した「ペルソナが」貴社の商品・サービスに興味を持ち、問合せ・購入をするまでの企画についてお伝えします。