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なぜ今アントレプレナーシップが必要なのか —これからの時代を生き抜く方法

2021.05.16

現在大学二年生の山下大知です。 中学生のころから独学でプログラミングを学び、高校から個人でフリーランスのプログラマーとして各種クラウドソーシングサービスにて活動。 19歳の時にeSportsビジネスで起業。 公での執筆活動が久しぶりなので拙い文章にはなりますがご覧下さい。

 

なぜ今アントレプレナーシップが必要なのか

—これからの時代を生き抜く方法

近年様々な分野でアントレプレナーシップという言葉が取り上げられています。アントレプレナーシップという言葉は聞いたことがるけれど、そもそもどんなものなのかも理解していない人もたくさんいると思います。そこでそもそもアントレプレナーシップとは何なのか、なぜ必要なのかについて取り上げていきたいと思います。

 

そもそもアントレプレナーシップとは?

そもそもアントレプレナーは「事業を起こす人」という意味があります。その言葉にマインドを意味するシップが付いた「アントレプレナーシップ」は起業家精神という意味になります。ではそもそも起業家精神とは何なのでしょう?起業家精神と聞くと起業をする人の考え方?と思う方もいるかもしれません。しかし、アントレプレナーシップには起業家ではない方にも必要なスキルです。アントレプレナーには創造性やイノベーションも求められますが、それ以上にマネジメント能力や学び続ける精神が求められます。つまりアントレプレナーシップとは独創性によって新しいビジネスを立ち上げたり、これまでになかった製品を開発したりといった、既存の枠に囚われずに新しい価値の提供を試みたりするだけではなく事態の変化に敏感になり、常に変化し、学んでいく事なのです。このスキルはこれからの日本を生きていくうえで必須のスキルとなっていくでしょう。その理由を次の項目から説明していきたいと思います。

 

豊かさと平和の相関性

今、日本は世界のGDPランキングで第3位を誇る豊かな国です。日本は東洋の奇跡と呼ばれる高度成長期を経てここまで豊かになりました。ではなぜ日本はここまで豊かになれたのでしょうか?様々な要因が関係していますが、大きな要因は人口です。経済は一人当たりの生産性×労働力人口で表せます。これは今のアメリカや中国を見ればわかると思います。しかし、日本はグラフのように海外と比べて一人当たりの生産性がかなり低いです。それでも豊かになれたのは他の先進国より人口が多かったことが主な要因といえます。例えば世界のGDPランキング4位のドイツは日本より生産性が高いのに労働力人口が日本の75%しかいないため日本よりGDPが小さくなっています。アメリカがずっと1位でいられるのは1人当たりの生産性はもちろんですが、単純に労働力人口が日本の3倍といっても間違いではないでしょう。一方人口が現在世界1位の中国は人口数は多いものの1人当たりの生産性が低いためGDPランキングでは2位となっています。しかし、今では2位の中国も2000年までは6位でした。中国は人口増加に加えて、1人当たりの労働力が年々上がった結果今の位まで上がることができました。つまり、他の先進国と比べても1人当たりの労働力が低い日本がまだGDPランキングで3位で居られ、豊かであることは人口が多いから保たれている物と言えるでしょう。

しかし、今後日本はその豊かさの根源である人口がグラフのようにどんどん減っていきます。

さらに、日本は世界的なIT化の波に乗り遅れてしまい、様々な分野で、以前と比べて国際競争力が大きく落ちてしまっています。また、日本が国際競争力が高い分野である自動車産業にも暗雲が立ち込めています。世界的に脱石油化が叫ばれ、既存の自動車を電気自動車に置き換える流れになってきていて、電気自動車の分野ではテスラやBMWなどのメーカーがどんどん力をつけていて、ガソリン車ほどの優位性が日本のメーカーには無いため、現在のような国際競争力を保つことは難しいと考えられています。そうするとこれまで以上に日本の生産性は悪くなっていくと予想されます。人口の減少や生産性の低下の結果、日本はどんどん豊かではなくなっていきます。では豊かではなくなったらどのような弊害があるのか?それは今のように犯罪の少ない安全な社会ではなくなるということです。今の日本は世界でもっとも平和な国に数えられるほど平和な国です。しかしそれは豊かだからこそ維持できていたのです。もとは豊かな地域でしたが、都市を支えていた産業が衰退していき、人口が減少した結果、貧困化に陥り、犯罪発生率が上昇してしまった都市としてアメリカのデトロイトがあります。デトロイトは1950年代には平均収入、住宅所有率ともに国内トップを誇り、アメリカの中でも最も裕福で治安のいい都市と言われていました。しかし、近年ではその栄光が見る影もないほど荒廃してしまっています。今ではアメリカでもっとも治安が悪い年と言われ、各地にスラム街が乱立し殺人率は日本の約200倍にもなっています。デトロイトはアメリカの自動車産業が衰退するにつれてどんどんメーカーの収入が悪くなり、工場が閉鎖され、失業率が悪化していきました。その結果デトロイトの人口も減少傾向にあります。そんなデトロイトの人口と日本の人口を比較したグラフをご覧ください。

このように、デトロイトと日本の人口推移がほとんど同じなのがわかると思います。ということは日本も人口が減っていくにつれて豊かではなくなり、その結果デトロイトのように治安が悪くなることが想像できると思います。

 

終身雇用・年功序列制度の崩壊

では今後豊かでなくなっていく日本でどのように生きていくのがいいのでしょうか?今、日本では会社員になり、終身雇用・年功序列制度が47.1%もの企業で導入されています。しかし、本当に終身雇用・年功序列制度など存在するのでしょうか?そもそも終身雇用・年功序列制度というものは高度経済成長期の際に作られた制度です。高度経済成長期の日本は年平均10%前後の経済成長率というすさまじい成長でした。その結果、雇用の需要が増え、終身雇用・年功序列制度の仕組みを企業は構築し、正社員をどんどん雇っていきました。高度経済成長期のうちは会社も順調に成長していくのでこの正社員というシステムは維持されていました。しかし、平成に入り失われた20年と呼ばれる不況に入り経済全体の成長が衰えてしまいました。ここで終身雇用・年功序列制度のシステムにほころびが出始めます。そもそも終身雇用・年功序列制度は会社が成長していく前提で作られているシステムです。例えば終身雇用・年功序列制度で5人の社員を雇うとします。すると10年後にはこの5人の社員のもとには複数人(5人と仮定)の部下がいるという事になります。つまり新しく25人の社員を抱えているということになります。ということは単純計算でこの会社は5倍の人員を抱えれる規模にまで成長する必要があるのです。つまり終身雇用・年功序列制度というシステムは会社が成長していなければ成り立つことができません。しかし、現実は会社がその速度で急成長することは少なくなってきています。つまり、終身雇用・年功序列制度は現在ではほとんどの会社では通用できないシステムなのです。さらに現在では高度経済成長期のころと比べて医療技術が発展してきて、平均寿命も伸び、人生百年時代とまで言われています。その結果、定年が延び今では70歳まで働くことも当たり前となってきています。新卒で20歳で就職した人は70歳まで働くとすると終身雇用・年功序列制度の場合50年間はその会社で働くことになります。では、50年間続いてる会社はどのくらいあるのでしょうか?このような状況下でいま、各社も早期退職を募集したりするなど終身雇用・年功序列制度の是正に動いています。

続いて、こちらの経済産業省が公開した資料をご覧ください。この資料では終身雇用・年功序列制度の下、定年まで働いて退職後は退職金と年金で暮らす所謂日本の標準的だとされている人生が描かれています。しかし、世間一般で標準的とされているこの人生は1950年代生まれの方でも約35%の人しかできていないのです。さらに1980年生まれになると27%まで下がっています。約3割の方しか終身雇用・年功序列制度で標準的な人生を歩めていなく、さらに年々この割合が下がってきている中、本当に終身雇用・年功序列制度を目指していいのでしょうか?

 

これからの働き方

ここまでで終身雇用・年功序列制度で生きていくことは厳しいのが分かったかと思います。では、これから終身雇用・年功序列制度ではなくどのように生きていけばいいのでしょうか?そこで必要になってくるのが終身雇用・年功序列制度のように1つの依存先に依存するのではなく、いくつもの依存先を用意するという生き方です。例えば、新卒で会社に終身雇用・年功序列制度だと思って就職して50歳にになった時にその会社が倒産してしまった場合、再就職はかなり困難かと思います。しかし、最初から終身雇用・年功序列制度に胡坐をかかずに様々な会社とお付き合いをし、いくつか就職できる場所(複数の依存先)を用意しておけば、たとえ今努めている会社を辞めても再就職することができます。しかし、複数の依存先を用意するということは容易なことではありません。先ほどの例のように30年働いてきた場合、その間に世の中の情勢は刻々と変化しています。その変化に対応せずにだらだらと生きていたら複数の依存先を用意することができません。つまり、これからの時代は変化に対応していく力が重要なのです。しかし、変化に対応するということは簡単ではありません。そこで、アントレプレナーシップが大事になってくるのです。アントレプレナーシップはなにも起業する人だけではなく、会社員にも必要なことなのです。これからの時代では1つの企業に依存してのキャリア形成はその企業がつぶれない確証などどこにもなく、リスクが高い行為となります。今後の未来を考えると企業に依存して教育をしてもらうのではなく、自分で未来を切り開いていく能力が必要となります。アントレプレナーシップには起業精神などはもちろんですが、自分で未来を切り開くために必要な学び続ける精神が求められます。今の日本は就職するまでは勉強するけれど、社会人になったら学習の時間が減少していく傾向にあります。平成28年の総務省の社会生活基本調査では、日本人就業者の学習、自己啓発のための時間は1日6分であったことが明らかになっています。しかし、1日6分の勉強で時代の変化には対応できません。今のIT化社会はいきなり形成されてきたわけではありません。ネットワークの進化やハードウェアの進化など長い時間をかけて形成されていきました。なので、普段から新しい情報や分野について勉強し続けていれば乗り遅れることなどなかったのです。普段から勉強をしていればたとえ今の会社がなくなったとしても新しいことを身に着ける能力は培われているため、新しい会社を簡単に発見することができます。つまりこれからの時代では1つの依存先に依存するのではなく、普段から学び続け時代に変化して対応していく力を身に着けるためにアントレプレナーシップが不可欠になってくるのです。

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